2008年09月26日

第7話その3 戦いの中で

 戦い続けて己の敵をなぎ払った時、アリスは目の前で戦う蘭華を見た。
 前から来る敵をなぎ倒し、左右から来た敵の攻撃をたった今なぎ倒した敵を踏み台にして飛び上がりかわす。
 それと同時に空中で体制を変えると左の敵に蹴りを入れ、右の敵に斧を振り下ろす。
 鮮やかな戦い方だった。

 それを目の当たりにしたアリスは自分の戦い方に不安を覚える。
 製薬中心にしている蘭華と、戦闘のプロである自分。どう見ても本来ならばアリスが上のはずなのに、なぜ、こんなにも戦い方が違い、劣等感を覚えてしまうのか。
 
「ホーリーライト!」

 戦うことを忘れ、ボーッと突っ立っているアリスの目の前に敵がいた。
 突如聞こえた魔法詠唱の声。
 そちらを振り向くとブレアがいた。
 心なしか怒っているように思うが、今はそれ所ではなかった。自分の中にある劣等感によってアリスは体を動かせずに俯いた。

「マスター、コイツ後ろに連れてくぞ。」
「えぇ、わかったわ。」

 ブレアの声に返事をすると、蘭華は綾兎とイリヤを伴い最後と思われるモンスターハウスの中に飛び込んでいった。

「で、どうしたんだよ」

 ブレアの声に視線を上げると怒っているような、困っているような、そんな表情のブレアがいた。
 それでも、声にすることができなくて再び俯くアリス。
 それをみたブレアは軽く息を吐くとアリスの傍へ行き頭を撫でた。

「あのな、お前、マスターたちに劣等感もってどうすんだよ・・・あの人たちと対等になろうなんて思うなよ?」
「でも、俺・・・騎士なのに・・・役に立ってない・・・」
「・・・あのな、これ、言うものじゃないんだが、マスターな、昔、結構名のある騎士だったんだよ・・・それも栄誉あるロードナイト・・・」
「・・・・・・え・・・?」

 それを聞いたアリスは顔を上げる。

「イリヤさん、昔、ハイプリーストだったんだよ。俺、ここに入った当時、支援の仕方がなってないだの、お前がしっかりしないと周りが死ぬんだとかって脅されたり・・・」

 自分だけじゃなかった。
 ブレアでもかつて、劣等感を持ったことがあると告白され、少し安心したアリスはブレアとイリヤのやりとりを思い浮かべ少し笑ってしまった。

「笑ったな・・・でも、マジ、あの時ほど悔しい思いしたことはないんだぜ?なんたってクルセに指摘されるんだもんな・・・」

 2人で笑っていると戦いの終わったらしいギルドメンバーが戻ってきていた。
 ティオが元気良く戻ってくるとその後に続いてアストリアが戻ってくる。
 無邪気に駆け寄ってくるティオを抱き上げるアリス。そんな無邪気な彼を見てちょっと癒される。
 アストとブレアが先ほどあったことを話し合っている。

「あぁ・・・それか・・・アリス、俺もそういうことあったから、気にすんな。あの人たちとは生きている時間も違うし、経験すら洒落にならないくらい違うんだ。気にするだけ無駄だって、後になって分かるさ。あの人たちの戦い方をみて、自分の悪いところも分かっただろう?戦いの中で学び、それを糧に強くなればいいんだ。マスター達はお手本。お手本を元に強くなる。それでいいだろう?」

 アストのセリフにアリスは大きく頷く。
 劣等感を持っても仕方ない。
 同じギルドの仲間になったのなら、それを手本に自分のものにしながら強くなればいい。
 そう、胸に言い聞かせると、戻ってきた蘭華たちを笑顔で出迎えた。



〜あとがき〜
 ・・・あれ?戦闘シーン・・・あれ・・・・・・・・・?
 と、まぁ、こんな感じの姉、海星です。
 久々の小説更新ですが、予定していたクルちゃんたち、出せてない!!
 いやーーー!!次は出す。
 ってか、出ないと進まない☆
 こんなのでも感想はお待ちしてまっす☆
posted by 姉 at 13:53| Comment(0) | TrackBack(0) | 小説本編 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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